2009年2月14日土曜日

ステレオタイプを演じる

 どうもステレオタイプを演じるのは悪だ、というような風潮があるらしい。



Storm grows over National Theatre play dubbed racist and offensive by critics


Bean's comedy, set around the Brick Lane area of east London, spans more than three centuries, from the arrival of Huguenot weavers to successive influxes of Irish, eastern European Jews and Bangladeshi Muslims. Each wave is greeted with hostility and suspicion with locals, only to integrate to such an extent that they themselves take a similar attitude to the next wave of newcomers. The final act features young Muslim men, several of whom are Bin Laden-admirers, while others are drug dealers or muggers.


It has incestuous, pig-breeding, drunken Irishmen, snooty Frenchmen, farcical Jewish anarchists and the animated presence of a mad mullah ranting about how women must be subservient to men


 イギリスのとある村を舞台にして、特定の移民を特定の固定観念にそって、描出し、その移民たちが、敵意や疑いをもってうけいれられながらも定着するのだが、、新たな移民たちがやってくると、自分たちがうけた迫害と同じような態度で新たな移民を迎える、その愚かさを描いた作品である、という。
 テーマとすれば、まあ、それほど悪くないだろう。
 が、しかし、それぞれの国民や信徒を固定観念的にひどく描出したのがまずい、というわけである。


 一方アメリカでは、ちょっと前だが、
オバマ猿人形(ビデオ)
オバマ猿
Tシャツ(ビデオ)

あるいはオバマワッフルなどが論争を引き起こした。
Obama Waffles - Racist or Fair Satire?魚拓

そして、アメリカでは、黒人の描出法に関して論争の歴史がある。
Racial Stereotyping (Part 1 of 2), Television: Inside & Out


日本でも大阪人や東京人などについて固定観念があるが、とくにそれが社会的問題にされたことはない、ように思う。ただ、演歌などにでてくる女性像があまりにも男に都合のよい女性像などで、それについて文句をいっていたフェミニストなどの話は聞いたことあるが、あまり、社会的注目を浴びなかった。


日本人も海外でこうしたステレオタイプで描かれることが多いから、気持がわからないでもない。

 出っ歯でめがねをかけた日本人像も飽きたし、軍人のような命令口調の日本人男性像や、あるいは、「Shougun]の島田陽子のような従順な日本人女性像も飽きたし、the last Samurai の日本人も違和感がないわけではない。

 こうしたイメージに関しては言えば、それをチェックするのも必要だろうが、 それ以外のイメージをどんどん提示していく方がよほど建設的である。

 そして、ステレオタイプだとしても、実際には文脈にそって個々に判断していくべきである。


 また、オーマイゴッドと天地がひっくり返ったように大騒ぎにするほどのことか、とも思う。

 ただ、

 人種ネタをやるなら、オーマイゴッド!!!と天地がひっくり返ったような反応や論争がこれからは、日本でもおきるだろうことを日本人も覚悟しておいた方がよい、

 と思う。



 参考投稿
ブラックフェイス4