2009年2月22日日曜日

報道の対象、され方。

Japan Probeで反捕鯨団体が捜索をうけた、という記事を報道しています。
 で、これABCの報道のようですね。ちょっと注意しますと、反捕鯨団体側の、Paul Watoson の言い分と、Bob Brownの言い分を紹介し、鯨が血まみれになって、さかさづりにされて船に確保される映像を流している。
 さて、同様に、オランダの報道が過激な動物保護団体について書いた2日前の記事と比べてみて下さい。

Minister acts on violent animal rights groups

Friday 20 February 2009

魚拓

 こちらは、過激な動物保護団体の理不尽さだけを報告している。もちろん、ABCではないですから、単純な比較は出来ない。
 ただ、過激な動物保護活動の報道でも紹介したテレグラフの記事Animal rights activists convicted of six-year blackmail campaign魚拓なんかでも同様な傾向がある。

 動物実験して血まみれになっている姿の映像などは撮さない。また、動物保護団体の言い分など紹介しない。

 
 つまり、英語圏での報道は、他の過激な動物保護活動には、どちらかというと非難の傾向が強いに対して、捕鯨活動に関してだけは、過激な動物保護運動に同情的な報道をするわけです。

 まあ、ここらへん偏向がある。

 報道の偏向というのは報道のされ方だけの問題ではない。報道する、報道しない、対象によっても偏向がある。
 例えば、
「唐辛子、秀吉が持ち込み説」覆す 韓国研究所

2009年2月22日6時0分印刷ソーシャルブックマーク
 【ソウル=牧野愛博】唐辛子は日本から豊臣秀吉が持ち込んだものではない――。韓国食品研究院は19日付で、こんな研究結果を発表した。

 同院は、15年にわたって国内外の数百件の文献を研究。これまで唐辛子は秀吉によって、1592年に起きた第1次朝鮮出兵のときに朝鮮半島に持ち込まれたと信じられていたが、それ以前に発刊された「救急簡易方」などの文献に、唐辛子を意味する言葉が残されていたという。

と朝日新聞は報道している。
 こんなの嘘か本当かまだ、確証されたわけでもなく、また、ある意味どうでもいいのですが、朝日は日本の慰安婦問題についてあれだけ報道したのに、韓国慰安婦が韓国政府を非難している、という
記事世の生さんによれば報道しない。
 阿呆じゃないか、と思われるのも当然でしょう。

 で、今度は読売。


「日本で仕事続けさせて」ラテン系外国人がデモ…甲府
大揺れ雇用
 山梨県内に住むラテン系外国人が21日、雇用確保などを求めて甲府市内をデモ行進した。

 集まったのは日系ブラジル人やペルー人など約60人で作る「SOS外国人」。「じゅうたく」「きょういく」などと書かれたパネルを掲げ、「使い捨てやめろ!」「仕事したい!」と訴え、甲府駅前の信玄公像から同市役所前まで練り歩いた。

 デモに参加した日系ブラジル人のヒラヤマユリコさん(41)(中央市布施)は昨年12月、食料品製造会社から「仕事がない」と突然解雇されたという。「ずっと仕事を探しているが、なかなか見つからない」と途方に暮れていた。

 県民情報プラザの前では、代表で日系ブラジル人の正木クラウジオさん(31)が、県労政雇用課の塩谷雅秀課長に日本語を学ぶ機会と仕事を求める要望書を手渡した。正木さんは「景気悪化で(家賃を払えずに)家を追い出された人もいる。ほんの少しでもいいから仕事を分けて」と訴える。

 ラテン系外国人を支援している加藤順彦さん(63)は「外国人たちはこれまで熱心に働いてきたのに不況になったとたん、厳しい暮らしを強いられている。行政はこの現実を直視してほしい」と話している。

(2009年2月22日10時51分 読売新聞)



 どちらかというと、右よりな読売が在日外国人の視点を取り入れて外国人の苦境を報道している。
ぼくは、最近、英語圏の移民関係についてわりに目を通しているが、英語圏の記事でこれらに近いのを検索すると、。
老人移民の危機
やばくなる外国人就労者、移民の地位
'British jobs for British workers'.
というようなものを取り扱った。
日本での在日外国人の報道につき、それほど偏っているとも思えない。むしろ、イギリスなどこの不況下の移民の苦境について取り上げることが少ないのではないだろうか?
 なお、日本の新聞は苦境にある在日外国人の救援記事も報道している。
どうせ
たすけあい
こういう記事も英訳したほうがいいだろう。


 ついでに、面白いのは、イギリス人優先、アメリカ人優先で雇用確保せよ、という声や法案があるのに対して、日本ではまだ、そういう声はあまりない。もちろん、これは人口にしめる移民の割合がまだ、少ないからであろう。

 もうひとつついでに、移民で隆盛したと言われるアイルランドで10万人デモ 政府の経済危機対応めぐり大規模なデモがあった。
Huge protest over Irish economy
 外国人移民云々言っている場合ではないのかもしれない。


 で、最後にオランダの記事

Foreign takeovers in crisis-ridden Netherlands
Published: 20 February 2009
魚拓


Other countries that are, like the Netherlands, traditionally open to foreign investors have separate regulations for approving foreign takeovers. The commercially liberal United Kingdom, for instance, has legislation to review foreign takeovers in the defence and media sectors in terms of criteria such as national security and multiformity of the media.

The Dutch parliament has repeatedly asked the government for its standpoint on the usefulness of such regulations for the Netherlands. One of the occasions that prompted such a request was the proposed sale of energy companies. Another was the political and social unrest about PCM’s high burden of debt when British private equity firm Apax was the dominant shareholder. The current burden of debt is to some degree a remnant from that financial adventure.

But the government does not support regulations like the British ones. At the end of 2008 the relevant ministers, Wouter Bos (finance), Maria van der Hoeven (economic affairs) and Ernst Hirsch Ballin (justice), wrote that introducing separate regulations would contribute little to Dutch oversight on mergers. They fear merger regulation would become overly ‘politicised’ as a result. But even more they fear the negative effects for the “open Dutch investment climate.”


 外国投資家に企業が乗っ取られる不安について政府はなんとかしろ、という記事。
 イギリスでは、自衛とメディア関係については外国に乗っ取られないような規制があり、オランダもエネルギー関係でそのような規制をすべきだが、政府はそのような行動をとらなかった、という。
 こうした動きをナショナリズムの傾向としてとらえるか、とらえないか、は、やはり、報道姿勢による。

更新
おまけ。
実は、韓国内で発生する強姦、強制わいせつといった性犯罪は日本よりも多く、米国並みだ。2007年に1年間で、韓国では1万5325件発生し、人口1万人当たり3・16件発生している。日本は9430件で、1万人当たり0・74件。つまり韓国の発生率は、日本の約4倍と高いことがわかった。
 また日韓の性犯罪の件数でとくに差が出たのは、韓国の方が強姦の件数が異常に高いことだ。日本で起きた性犯罪のうち強制わいせつが8割ほどを占め、強姦の件数は1766件(2割程度)だったのに対して、韓国は全体の半数以上を占める8732件と、日本の5倍近くに達した。
 ちなみに米国の性犯罪の発生は1万人当たり3・09件で、韓国とほぼ同水準だ。ただ韓国の方が性犯罪被害者が周囲の目を気にして被害届を出すケースは米国よりも少ないと予想されるので、実際は米国以上の発生率かもしれない。

・・・韓国では性犯罪の発生が高い分、性犯罪の被害者支援体制や再発防止体制が日本よりもずっと進んでいる。こうした分野で先を行く韓国から日本が学ぶことは多い。ただGPS付き足輪などは、日本では人権侵害などと反対する声が大き過ぎて、導入は難しいだろう。日本には、被害者よりも非道な罪を犯した者の人権をなぜか声高に叫ぶ人たちがいるから…。(ソウル 水沼啓子、写真も)

 結論はこれでいいんだろうが、産経が書くと、微妙だなああ、という人もいるかもしれない。