2009年2月28日土曜日

人種・宗教・文化の摩擦

 ここ数日の記事だけでも人種・宗教・文化の摩擦に関する記事というのは案外多い。


According to Human Rights Watch, the law banning female teachers from wearing the Islamic headscarf in parts of Germany violates the right of Muslim women. DW's Peter Philipp thinks Germany needs the freedom to choose.魚拓
ドイツには、学校で教師がイスラム教のスカーフをすることを禁じる法律がある地方があるが、教師に必要なのは教える能力だけであり、そ例外の要素を考慮にいれてある服飾を禁じるのはいかがなものか、それをきんじることによってイスラム教徒がスカーフをつけることが間違っていることだ、というメッセージを送らないか?というもの。


French headscarf ban not discrimination, says European Court

27-02-2009
魚拓

他方、こっちは、そのようなフランスのケースだが、そのようなイスラムのスカーフをつけた女子学生を退学させた件について、EUの裁判所は、世俗主義を貫徹し、代替手段も与えられていたので、違法ではない、という判断を下している。




US may boycott racism conference 28 February 2009 BBC

 アメリカが国連の人種差別会議をボイコットするかもしれない、という。この会議、アラブ諸国によるイスラエル虐めに悪用されている、という。

Immigrant-bashing former congressman Tom Tancredo (R-Colo.) has a long record of making outrageous statements. In 2003, for example, while campaigning with a Senate candidate in Illinois, Tancredo said that undocumented immigrants “are coming here [to America] to kill you and to kill me and our families.” In 2005, he told an Orlando, Fla., talk radio host that the United States should “take out” Mecca and other Islamic holy sites in response to a terrorist attack by Muslim extremists.


で、こちらは、アメリカの議員が「移民は白人のアングロサクソン文化に適応すべきだ」と主張している、という。この議員、「不法移民は俺を、おれらのかぞくを殺しにきているのだ」という発言をしたこともある、という。記事は、こうした議員を非難している。




One in five believe in creationism

Friday 27 February 2009
魚拓
これは、特に関係ないが、オランダでは5人にひとりがいまだに創造論を信じている、という。

こうなってくると、欧米キリスト教圏とイスラム圏との対峙というのはまんざら誇張ではなさそうにみえてくる。


「巨大企業が自販機でベネチア侵略の準備をしている」(23日付ラスタンパ紙)など、反発が広がっている。

このほかハンバーガーやコーヒーのチェーン店への拒否感は根強く、欧米のファストフード文化にとっては防波堤が高い。魚拓

とすれば、欧米が一体というわけではなく、場合によっては、欧州と米国の対峙の構図もでてくる。



国産牛、中東マネーを狙え イスラム式に処理して輸出(朝日2009年2月28日)


日本イスラーム文化センター(東京都豊島区)によると、イスラム教徒は豚肉は口にできないが、牛肉は食べられる。ただし、牛を最初に処理できるのはイスラム、ユダヤ、キリスト教徒のいずれかで、「アラーの御名において」と唱えながら素早く行うことが求められる。このほか、刃物の汚れを落とす際、アルコールを使用できないことや、豚と同じと畜場では牛を解体できないなどの厳格な条件がある。それらをクリアしたものだけが、イスラム教徒が口にできる食品「ハラール」として認められる。


日本の場合は、まだ、顕在していないで、経済的な理由からとはいえ、むしろ友好的であるが、しかし、これは、やはり、移民の数が少ないせいであろう。


で、こっちは米国人(の一部)と南米人(の一部)の対立。

Man Arrested in Ecuadorean Immigrant Slaying
Updated 12:15 PM EST, Thu, Feb 26, 2009
Arrest in killing of Ecuadorean immigrant WABC TV(youtube)
魚拓
ニューヨークでエクアドル人が歩いていたら人種の蔑称を叫ばれながら、ボコボコにされて死亡した事件の犯人が逮捕された、という記事。


Shooting Victims Students from Chile

Posted: 7:35 PM Feb 27, 2009
魚拓

Neighbor Crystal Lynn says, “He did come up to me one time and ask me if I was ready for the revolution to begin and if I had any immigrants inside my house to get them out.”




Florida man rants about immigrants then kills his Chilean neighbors  魚拓



で、こっちは、銃乱射事件、二人が死亡、3人が怪我、ということ。もっともただの乱射事件ではなく、移民を狙った事件と目されている。近隣の人は、「来るべき革命への準備はできているか、もしお宅に追い出して欲しい移民がいたら教えてくれ」などと移民についてわめき立てた後、チリ人の女学生を殺害した。

 凄まじいといえば、凄まじい。
 で、こうした、人種や宗教の緊張・対立が激しいところでは、そうした不正を糺そうとする立法の必要性が当然でてくる。


February 27, 2009 08:07 pm

COURTS: Curtis gets probation for racist sign
Foolish. Stupid.

The two words were repeated dozens of times on Friday as Falls Department of Public Works truck driver James Curtis was sentenced to three years of probation for his guilty plea to a charge of second-degree aggravated harassment. The charge stemmed from an incident at the DPW garage in August 2008 when Curtis posted a whites-only sign above a drinking fountain.


Curtis, 54, 218 80th St., was originally charged with second-degree aggravated harassment as a hate crime. The charge was later reduced and the hate crime designation dropped, after prosecutors said they believed Curtis’ actions were not racially motivated.


In addition to the three years of probation, Violante ordered Curtis to perform 50 hours of service in the Niagara County Sheriff’s Department Work Program. The judge also ordered Curtis to attend diversity and sensitivity training programs and to undergo random drug and alcohol testing.

 水飲み場に「白人専用」と落書きしたため、3年の執行猶予、ボランティア、多文化教育などを受けるように、との判決があった、という。当初人種差別的動機に基づいているとされたが、情状から鑑みて、ハラスメントの嫌疑に軽減された。

 欧米人の一部は、「外国人お断り」という看板の背景に多分に自分たちの文化の激しい人種差別の歴史や実践を読み込んでくる。その読み込み自体が正当とはいえないが、しかし、やはり、外国人お断りの看板は不適切であることにはかわりはない。そのことは肝に銘じておくべきだろう。