Mozuさんのところで紹介されていた本。民族とネイション―ナショナリズムという難問
おもしろい。
最初の方で、ナショナリズムの類型を民族の分布と国家との関係で整理している。
(1)同一民族が複数国家に分立状態→統一国家
例 朝鮮半島、中国台湾
2)同一民族が特定国家の少数派→分離独立
例 クルド・ナショナリズム
(3)同一民族、同一国家 →(経済競争などを通じて)民族意識の強化
(4)同一民族が広く離散
(あ)本国有り 例 華僑 印僑など
(い)本国なし 例 以前のユダヤ人など
なお、
エスニシティ 血縁・先祖・言語・宗教・生活習慣・文化などを共有する集団
民族 エスニシティを共有する政治的単位としてあるべきわれわれ
国民 国家の正統な構成員の総体
と整理されるが、しかし、民族なりエスニシティを歴史から超越した固定した実体や本質として把握されているわけではない、ことに注意。