2009年4月22日水曜日

Japan's Foreign Policy Since 1945




Japan's Foreign Policy Since 1945

 立ち読みして前にも紹介したことあったと思うが、この前、買ってきた。中韓の日本の歴史問題・靖国問題などに対する攻撃がもっとも盛んだった頃の著作で、ちょっと古くなったが、まあ、いまでも参考にはなる。
 日本の意志決定として外圧ということがいわれるが、しかし、内圧がなければ、外圧のみで政策選択することはなく、議論のある政策、あるいは、人気のない政策で、指導者が望む政策を外圧を利用したり、外圧の名目で、非難を外に向けながら、当該政策を実現している、という。まあ、そんなところだろう。外国人の方々で外圧を利用すればよい、と考える人がいるが、もともと内圧がないところで、当該政策が選択されることはないし、外圧を使って、政策決定されて、非難の矛先は外国・外国人に向かうこともあることも覚悟しておいたほうがいいかもしれない。

 写真はちょっとみずらいかもしれないが(ーーークリックすると大きくなるようだーー)、日本の同盟国として選択肢としてのプラスとマイナスについての簡略図。

パラパラと拾うと、
 
104
米中が接近しすぎるとインド・韓国・日本などの地域の安全が不安定になる。

159
中国にとって日本は眠れるドラゴンである。刺激しすぎては怖い。
161
日本と中国は、エネルギー問題などで協力することが望ましい。
163
中国は世界に依存しているが、世界は中国に依存していない。中国のやっていることは他の国でも代替できる。
164
北朝鮮による拉致問題のような問題がアメリカで起きたら戦争ものだ。

It is testimony to the pacifism in Japan that the Japanese didn't react more strongly. One could only imagine what would happen if it were to be discovered that something similar (hypothetically) had happened to American Youth. War by the popular demand of the American people would likely to be inevitable.

166
北朝鮮の核の第1の標的は日本である。(歴史問題、米軍基地、飛距離など)

日本が核をもつようになると脅威に思うのは中国だから、そうした不安は中国が北朝鮮の非核化に本腰をいれさせるだろう。

168
核の傘について、米国は在日米軍基地が攻撃されれば、反撃するだろうが、アメリカの都市が攻撃されるなら、日本の都市を救おうとはしない。

中国は軍事的にはまだ、脅威ではないが、過去の日本のように危険を冒す可能性もある、と日本は認識している。

171
中国は、米国にとっても日本にとっても潜在的脅威である

187
米国は日本が戦前の軍国主義的になることを望まないが、憲法改正などを経た現実的な軍事力強化には反対しない。
188
日本人は大きな軍事的役割を果たしたくない。
Japanese people do not seem eager to play a major military role. In this sense , the legacy of the disaster of World War Ⅱ.

189
日本は覇権を狙っていない。
[I]t can be safely said that Japan has no hegemonic aspirations for next ten or fifteen years

190
日本は他国を改宗させるような伝統はない。先の大戦でやろうとして痛い目にあった。

Japan has no tradition of missionary zeal・・・. It has only the memory of the bad mistakes.[World War Ⅱ]


 大枠とすれば、米国中国日本の三角形で、このなかで、米国と中国が主要なプレイヤーであろう。
で、日本はどちらかといえば、米国と中国の従属変数であって、その風向きによってある程度、選択肢が決まってくるわけだ。
地域の安全がある程度保障されていれば、軍事力は最小限で、経済活動に集中していればそれが一番お得であろう。しかし、「北朝鮮の弾道ミサイル発射を踏まえ」というように状況によっては、「集団的自衛権の行使や敵基地攻撃能力の保有について議論」も必要になってくるわけだ。写真の選択肢にあるように、米国がアジアから撤退すれば、あるいは、そうでなくても、 核武装の選択肢もあり得るわけだ。
 結論的に言えば、中国とは、経済的協力を強めながらも、軍事的には米国・韓国との同盟を維持するのがいいわけだが、いずれにせよ、さまざまなカードは持っていた方がいいし、状況によっては、可及的速やかにそのように変身できるような基礎的なインフラはもっていたほうがいいのだろう。
 日本の政治家もアメリカや北朝鮮の政治家のレトリックをもう少し学んでもいいかもしれない。。