というわけでもないが、以前紹介したサイト、リバタリアンというが、むしろアナーキズムに近いサイトの国家論を紹介してみる。わかりやすい。
国家の定義として、国家の目的と手段から共通項を探していこうというわけ。
まず、目的の候補として、軍事。国家は、他国を侵略したり、他国からの攻撃から防衛したりすることが多いが、軍事力を持たない国家も考えられるから、これは国家の必須目的ではない、とする。
じゃあ、警察や裁判所はどうか?歴史的にいうとこれらの制度は私人間の取り決めによって私人が運用していたものから発達し、そうした状態でも国家はあったから、これも必須ではない。
立法機関はどうか、というと、これも専制君主のもとでは必要ないがそれでも国家は存在する。
経済活動の規制はどうか?というとこれもなくてやっていた国家があったという。
で、富の再分配はどうか、というと実際再分配するが、目的としては、再分配自体が目的ではなく、支配者が支配することが目的である、という。
そこで、今度はその手段の検討に移る。つまり、いかなる手段によって支配するか?そこで私的な組織との対比してみる。
で、まず資金調達。私企業は金を借りたり、サービスと交換に金を調達する、ということは私企業でもやるが、国家は税金を強制的に徴収する。
次に、領土内の人々にいかに規則に従わせるか?国家は暴力や暴力をつかうぞ、と脅して規則に従わせるが、他の組織がそれをやったら単なる暴力団の犯罪組織である。
で、私的な組織がするサービスについては、いくつからそれを選ぶこともできる、そのサービスを受けないこともできる。例えば、紛争がおきた場合、自分たちが同意したルールに従って仲裁をしてくれる私的組織に頼むこともできるが、国家が運営する裁判所だと、同意なしに、強制的に出廷させられ、また、強制的に証言をさせられ、また、その判決に強制的に従わされる。
というわけで、結局、
The state is an organization that rules the people within a specific geographic area by imposing taxes on them and by using brute force to require all individuals and organizations within its domain to obey its commands.
国家とは、、命令に従わせるために、税金を課し、強制的手段で、その領土内の人を支配する組織である、という定義を与えている。
で、論者の正義論によれば、人は、平和的に何でもする自由があるのにこうしたことを押し付けるのは犯罪だ、したがって、すべての国家は犯罪だ、という、わけ。
どうだろうか?
国家の正当化というのは案外難しい課題で、竹田氏はむしろ普遍的な暴力の不安からくる協同的防衛の要請(166項)を動機として、自由の相互承認による普遍ルール社会(199項)の形成を目的とし、成員自身によって決められたルールによるフェアな競争ゲームを通じて一般福祉を向上させる、その享受と自由の追求の一般条件をたえず高める筈だったが、うまくいっていない、としてその理由を探ろうとする。
・・・・どちらもなんとなく納得しないんだよなああ・・・。
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