胸を病み医療保護受けドヤ街の柩(ひつぎ)のやうな一室に居る
ホームレス歌人 公田耕一さんの初投稿初入選作品
08-12-08
柔らかい時計を持ちて炊き出しのカレーの列に二時間並ぶ
「真に迫る、知的な歌」と注目され、入選作品と掲載日は以下
08-12-22
鍵持たぬ生活に慣れ年を越す今さら何を脱ぎ棄てたのか
09-01-05
パンのみで生きるにあらず配給のパンのみみに て一日生きる
09-01-19
日産をリストラになり流れ来たるブラジル人と隣りて眠る
09-01-26
親不孝通りと言へど親もなく親にもなれずただ立 ち尽くす
選外の作品から浮かぶ人物の輪郭は・・・
ホームレス襲撃事件と派遣村並ぶ紙面に缶珈琲零(こぼ)す
美しき星座の下眠りゆくグレコの唄を聴くは幻
百均の「赤いきつね」と迷ひつつ月曜だけ買ふ朝日新聞 (注 朝日歌壇は月曜朝刊掲載)